『磁芸釉遊』誕生物語
磁芸釉遊は、日本磁器発祥の地である佐賀県有田で誕生しました。

  

佐賀県有田の街並
有田の街並の裏通りには、トンバイ塀というものが残っています。
このトンバイ塀は、有田観光の風物詩として有名です。
『トンバイ』とは、やきものを薪で焼く窯の内側に張られ耐火煉瓦に釉薬が飛び散り付着した煉瓦のことを言います。長年焼成を繰り返す内に様々な釉薬が折り重なり現れる色は、やきものの深みを感じさせてくれます。
有田の古い窯元では、廃材となるこのトンバイ煉瓦を住宅周りの壁に再利用して来ましたが、現在ではやきものの焼成方法が変わり本物のトンバイ煉瓦を手に入れる事はできなくなっています。
  
トンバイ煉瓦の試作
有田の伝統的街並を保存する公共事業にトンバイ煉瓦が必要とされ、現在の窯で使用されている耐火煉瓦を用いて再現を試みました。
表面の色合いを表現するため、廃棄される様々な釉薬が混ざり合った釉薬を無造作に施し、本物に似せたものを作りました。
これを住宅のエクステリア商材として転用を考えましたが、形状が1つであるという事と色合いが落ち着き過ぎているため演出バリエーションを提案する事に限界を感じました。
そこで、自社の特長を活かした新たな製品化を企画する事となりました。
  
岩尾磁器の壁画
『磁芸釉遊』の製造メーカー岩尾磁器工業は、1950年代より現在までに約2,700点もの壁画を制作し全国各地の建造物や公園等に納めさせていただいています。
壁画の制作工程は、ほとんどが手作りです。また、一つの作品を作り上げるために色サンプルを作成します。壁画工場には、この色サンプルピースが10万点近くあり、現在もこのサンプルを利用して作品の完成度を高めています。
『磁芸釉遊』は、この壁画を制作するスタッフが「エクステリアに磁器アートの遊び心を」という思いで釉薬を施させて誕生しました。
形状は規格化していますが、釉薬の表情は全て違った表情を持っています。
  
『磁芸釉遊』は、
有田のトンバイ煉瓦のイメージと
磁芸壁画を形作る素材感や釉薬の風合いが
コラボレーションした製品です。
トンバイ塀通り(有田町上幸平)
耐火煉瓦で試作したトンバイ煉瓦(230×110×t 65)
磁芸壁画の絵付け風景(岩尾磁器上有田工場)
磁芸壁画:東京メトロ北参道駅

  

『磁芸釉遊』はクラフト磁器です。
やきものの種類を大きく分けると、土器、陶器、せっ器、磁器の4つに分類されます。『磁芸釉遊』は、約1300度の高温で焼成された磁器にあたりますが、肉厚の形状を作り出したりするために一般に知られている有田焼と違った原料配合を行ない作っています。
陶器と磁器の違いは、水を吸うか吸いにくいかの違いにあります。これは、主原料と焼成温度の違いから来るものです。
陶器の主原料は土で磁器は石。磁器は、ガラス質を多く含んだ石を高温で焼結させることで緻密な構造体で形成されたものとなります。
エクステリア環境の場合、一般的な赤レンガは陶器質に分類されるため水を吸い苔等が付きますが、磁器質の床タイルは水を吸いにくいため苔の付着がありません。『磁芸釉遊』は、表面の色が永遠に変わらない磁器独特の特長をもっています。
釉遊ブリックの裏面

  

演出バリエーションの提案。
『磁芸釉遊』は、エクステリア空間をさりげなく演出する製品です。やきもの以外の様々な素材とのコラボレーションが楽しめます。
  

  

■『磁芸釉遊』を使ってほしくない場所があります。
磁芸釉遊、特に釉遊ブリックのほとんどにはガラス質の釉薬が製品の表面に施されています。水が表面に残っていてその表面を歩いた場合、滑る恐れがあります。よって、人が歩くスペースに製品を連結されたり、敷き詰めたりする事はお薦めできません。
■在庫のご確認をお願いします。
磁芸釉遊の製造期間は約1ヶ月かかります。ご用命の際には、あらかじめご希望される色番号製品の在庫数をご確認下さい。
■施工時の取り扱いにご注意ください。
製品自体の強度は優れていますが、表面に強い衝撃を与えますとカケる事があります。施工時の運搬を含め取り扱いにご注意ください。

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